〜神楽2679〜

すめらぎいやさか

愛、食べてますか?

 

昔からあまりアニメというものにどっぷりハマる方ではなくて。

好きになるアニメはいわゆる「日常系」というか、のんびり〜、まったり〜、みたいなゆるふわなものが好きで。ある種のリアル感がないと感情移入できないたちなんだろーなーとしみじみと思う。
 
そんなわけで、今日はアニメの話。
現在読売系列で放送中の『甘々と稲妻
 
前から平積みされてる漫画を見ては、気になってたので、これを機に見てみようと軽い気持ちで見たら、どっぷりハマりました!あるあるですね。
 
ざっくりとあらすじをぺたりすると、
 
「妻を亡くし、ひとりで娘の子育てに奮戦する数学教師・犬塚。料理が苦手で小食で味オンチな彼は、ひょんなことから教え子・飯田小鳥と、一緒にごはんを作って娘と3人で食べることに!!」(Amazon より)
 
物語の中心は犬塚先生の一人娘、つむぎのために、犬塚の教え子で、母が小料理屋を営む小鳥と3人で四苦八苦しながら美味しいご飯を作る、というごくごく単純な日常を切り取ったオムニバス形式のもの。
 
お話も劇的な展開があるわけでもなく、毎回「料理できない組」の3人がてんやわんやしながら、なんとかそれっぽくご飯を作って、食べてみたら、「あれ?美味しい!うわぁ!美味しい!」っていう料理初心者あるあるなアレを繰り返すだけなのだけど、それがすごくいいのである。
 
まず第一にこの3人の人間模様がたまらなく愛おしい。犬塚先生は若くして妻に先立たれ、仕事と家事を両立しながらも、娘のつむぎに目がない。とにかく溺愛している。甘々、なのである。料理を頑張ろうとしてるのも全ては娘のため。娘の「美味しい」が聞きたいがため。父性というより、もはや母性のそれに近い。
 
一方の犬塚先生の一人娘、つむぎもひたすら愛くるしい。今時こんな素直な子どもいないだろ、とツッコミたくなるくらい真っ直ぐで、元気いっぱいな女の子。まだ幼稚園生なのに、母親が亡くなったことを、子どもながら理解していて、それでも時々起こるハプニングで犬塚先生を困らせるものの、やっぱりおとさん(つむぎの犬塚先生の呼び方)が好きでしょうがない。なんとも可愛らしいファザコン娘なのである。
 
そして、ひょんなことからこの父子家庭に関わることになった飯田小鳥。彼女もまたなんとも純朴で視聴者をキュンキュンさせる何かを持っている女子高生。最初は母が営む小料理屋の灯りを消したくない、との思いから3人でのご飯会を企画するのだが、序盤から分かりやすいくらいに犬塚先生に恋をしているし、つむぎに見せる愛情はお姉さんのそれであり、回が進むにつれ、もはや母親のそれに近くなっていく。
 
そんな素敵な3人だが、悲しいかな、3人とも「料理ができない」
まだ幼いつむぎはともかく、犬塚先生は味覚音痴だし、小鳥は包丁が持てない。
 
それでも3人が力を合わせて料理を作ると、あら不思議!とっても美味しいご飯が完成してしまうのである。この辺はアニメらしいご都合主義かな、なんて邪推を挟みたくなるが、そうではなく、
 
「美味しい!のために作ったご飯は美味しくなってしまう」
 
ということをしみじみと伝えてくれるのである。
 
社会に出て、忙しい毎日を送っていると、ついつい出来合いのものを買ってきたり、外食で済ませてしまう。美味しいけれど、なんだか物足りない。その「なんだか」はきっと作り手の「愛」なんだと思う。だから、久々に実家に帰って食べる母親の味はたまらなく美味しいし、心もあったまるのである。ふわーって力が抜けてしまう。下手すると涙が出てくる。
 
美味しい!にはその料理を作った人の想いがたくさん詰まってる。だから美味しいし、幸せなのである。
 
大事な人への「愛」を形にしたら、ほくほくの肉じゃがとキラッキラの白米と味噌汁なのである。(勝手な持論)
 
そんなわけで、ほっこり心があったまっておなか一杯になる『甘々と稲妻』観てみませんか?気づいたら久々にフライパン握っちゃうかも。