四弦組合加入のお話
何かの「はじまり」というのは、往々にして「恥じらい」と「高揚感」が交錯するもので。
「見ないでください!」といいつつ、やっぱり見て欲しいのである。ツンデレである。
というわけで、ブログを始めました(笑)
何の気なしに、思ったことを綴っていけたらいいな、と思ってます。
初回のテーマは「はじまり」というお話。素敵な企画にうっかり、ちゃっかり乗っかった結果でござい!受け取った想いは形にしたいものね。yucoさん、ありがとう!
そんなわけで、僕は大好きなパートナーとの馴れ初めを言葉として紡ぎます。
あっ、ごめんなさいね、奥のいかつい方じゃなくて、手前の色白の子の方です。へへ、可愛いでしょ?
さて、このベースとの「出会い」である。
誰かとの「出会い」は別の誰かとの「別れ」の結果であるのはよくある話で。
このベースを手にしたのはちょうど1年前の今頃。その少し前に僕は母親を亡くしている。
その出来事は今回のテーマではないから割愛するけれど、一言で言うと当時の僕は
「限界」
だった。
だから何かに逃げたかった。
そんなある日の親友との会話。
「ギターやらん?ツインでさ、絶対楽しいって!」
考えるまでもなく、
うん、却下。
だって高校生の頃ネット通販で一度ギターを買って、手にしたことがあるんだもの。「初心者入門セット!」という謳い文句の1万円くらいでギターと必要なものがセットで買えちゃうアレである。
今思うと「安かろう、悪かろう」に手を出した僕が悪い。それは「ギター」という名のついた木材の塊。
3日で飽きた。
いや、正確には飽きるまでもなく、まともな音すら鳴らなかった。ギターとアンプをつなぐと、やかましいモールス信号が鳴り始め、「これ、シンセサイザーか?」って思うほどの粗悪品。火サスだったらいい感じに凶器になったかもしれないね。「使い方は君次第!」じゃねぇよ、馬鹿野郎!な代物であった。
つまりは(粗悪品に手を出した自分のせいにも関わらず) ギターにはあまりいい思い出がなく、何の気なしに返した言葉が
「どーせやるならベースがいいかな」
であった。
言葉というのは不思議なもので、何の気なしに放った言葉が本心を含んでいるのか、はたまた、言葉にすることで自分自身興味を持ってしまうのか。いずれにせよ、僕は自分で放ったその言葉のおかげで「ベース」という楽器を意識することになった。
調べてみると、いわゆるベーシストという人種は変態しかいないことが分かった。
初めてベースという楽器を意識して、ベーシストという人種を見てみようと思ったのだけれど、本当に変態ばかりである。持っているベースもプレイスタイルも、とにかくみんなバラバラ。
打楽器のようにベースをバシバシ叩く人もいれば、ピックでガシガシかきむしる人もいて。見た目もちょっとイッちゃってる人 or 極端に地味な人ばかりで。
でもみんなひたすらに「楽しそう」だった。いい年したおっさん達が、ベースという楽器を手にした瞬間、少年なのである。
公園で狂ったように走り回るだけで楽しかった子どもの頃。大人からしたら意味不明だが、それだけで笑えた、楽しかった時期が誰しもあったはずで。まさしくあの時の、無邪気な笑顔なのである。
そんな笑顔とは裏腹に、かき鳴らす音は重戦車。重低音。ズムズム。
ベースという楽器が放つ音が、バンドの全ての音を前に押し出す。そこに迫力が生まれる。ライブ感が生まれる。
屋台骨。土台。だから「ベース」
「カッコイイ」
必要な理屈なんて、その一言で十分だと思った。
そこからはもうベースしか頭になかった。最初の一本が欲しい。音の良し悪しは分かるはずもないから、とにかくカッコイイやつが欲しい!
かつて大好きだったSUM41のベーシスト、Cone McCaslinが使っていたFenderの白のボディに黒のピックガードのデザインが欲しくなった。いわゆるシド・ヴィシャス、パンクなベーシストのそれである。
とはいえ、彼が使っていたプレシジョンベースよりは初心者が扱いやすいジャズベースを最初の一本にしようと決めていたから、デザインは少し妥協して、ヴィンテージホワイトに。
素人なりに詰め込める知識を詰めこんで、夏のボーナスを握りしめて御茶ノ水に乗り込んだ。お目当のベースがあるお店は限られていたから、そう時間はかからない。
「あった!」
と同時に
「こいつだ!」
であった。
恋に落ちるという表現、まさしく。
即購入。お迎え。
「いらっしゃい、今日からここが君のお家だよ」ワンコを迎えたその日のような感覚。
シールドでベースをアンプにつなぐ。
個人的にこの時間が未だにたまらなく好きである。鎧を纏う感覚。
鳴らしたいという欲求のままに、4弦の開放弦をつまびく。
重・低・音!
ズムズムである。ドゥムドゥムである。ドゥーン!ボーン!である。
エクスタシー!
と我らが師匠、亀田誠治のことばそのままに、ベースという世界にヤラれた瞬間。快楽とアドレナリンが共存する感じ。
そこからは毎日ベースという楽器と向かい合った1年。ただただ楽しくて、もっと知りたい、もっと上手くなりたい、しかなかった。
手垢がついた指板、ピックで削れたピックアップ。少しずつ刻まれる唯一無二感。
それでもこの子に対する思いはあの時のままに。そのうち『弾いてみた』動画なんてあげれるくらいになりたいね。
そんなこんなで、このブログの「はじまり」は大好きなベースとの「出会い」から。
初回なので気合入れて書いたけど、これから先はきっと雑になっていきます(笑)独り言の延長で書いていけたらいいな。
最後に、去年のベースの日の様子を貼ってお別れです。Bye!!